2008年11月4日

肺動脈形成・・・

 左上葉切除をするとき、腫瘍が肺動脈の本幹に浸潤・癒着して剥がれないことがあります。力任せでは肺動脈を損傷して大出血を来しますし、腫瘍を残してくるのでは手術としては不完全です。
 中枢側をテーピングし、肺動脈をサテンスキー鉗子でクランプして肺動脈を切離し、切離端を縫合します。特に肺動脈中枢から分岐するA3付近の浸潤の場合は大変怖い思いをします。術後の抗凝固療法としてワーファリンの併用、高齢者や狭心症合併症例ではバイアスピリンも追加しています。
 滅多にないのですが、2例連続であたりました。貴重な経験をさせていただいています。

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